特殊車両の塗装とは？仕事の全体像をつかもう
特殊車両の塗装工程の流れは、大型トラックやトレーラー、建設機械などの「見た目」と「保護」の両方を担う大切な仕事です。色を変えてきれいにするだけでなく、雨や紫外線、飛び石などからボディを守り、長く安全に使えるように仕上げていく役割があります。まずは、どのような車両を対象に、どんな目的で塗装を行うのかを整理しておきましょう。
ここからは、特殊車両の塗装に興味がある方に向けて、代表的な車両の種類と仕事の特徴をもう少し具体的にお伝えしていきます。
どんな特殊車両を塗装するのか
特殊車両の塗装現場では、次のようなさまざまな車両を扱います。
・大型トラック、トレーラー
・ダンプカー、ミキサー車
・クレーン車、高所作業車
・タンクローリー、ウイング車 など
車両によって形状も大きさも異なるため、塗装ガンの動かし方や足場の組み方、マスキングの方法などが変わってきます。求人媒体で仕事内容を確認するときは、「どんな車種がメインなのか」をチェックしておくと、自分の興味や得意分野と合わせやすくなります。
特殊車両塗装ならではのやりがい
特殊車両の塗装は、一台を仕上げるのに時間も手間もかかりますが、その分完成したときの達成感はとても大きい仕事です。
・企業ロゴや指定カラーでブランドイメージを表現できる
・フレームや荷台など、過酷な環境に耐える塗装で車両を守れる
・街中や現場で自分が塗った車両を見かける楽しさがある
こうしたやりがいがあるため、長く技術を磨きながら働きたい方にも人気の分野です。
特殊車両 塗装工程の流れを分かりやすく解説
ここからは、求人票にもよく記載される「塗装工程の流れ」を順番に見ていきます。工場によって細かな呼び方や手順は異なりますが、基本的な考え方はほとんど共通しています。全体の流れを知っておくと、未経験でも仕事のイメージがつかみやすくなります。
工程① 洗浄・下地確認
まずは車両全体を洗浄し、汚れや油分、ホコリを落とします。高圧洗浄機や専用の洗剤を使い、特に下回りや隙間にたまった汚れを丁寧に落とすことがポイントです。そのうえで、キズやサビ、へこみなどの状態を確認し、「どこまで補修してから塗装に入るか」を見極めます。
工程② 下地処理・パテ作業
次に、塗装面を整えるための下地処理を行います。
・サンダーやペーパーで古い塗膜を削る
・サビがある部分はしっかり落とし、防錆処理をする
・へこみや段差にはパテを盛り、平らに仕上げる
この工程を丁寧に行うことで、最終的な光沢や仕上がりが大きく変わります。求人内容に「下地処理から担当」「パテ作業中心」などの記載があれば、どの部分の工程を主に任されるのかをイメージしやすくなります。
マスキング・上塗り・乾燥までの具体的なステップ
下地が整ったら、いよいよ本格的な塗装の工程に進みます。ここからは、塗装ブースでの作業や仕上げに関わるため、集中力と丁寧さが求められます。実際の現場でどのように作業が進むのか、順番に見ていきましょう。
工程③ マスキングと下塗り（プライマー）
塗装しないガラスやライト、ゴム部品などをマスキングテープとビニールで保護します。そのあと、金属面の密着を良くし、サビを防ぐ目的でプライマー（下塗り）を吹き付けます。プライマーは塗料の食いつきを良くしてくれる重要な役割があるため、薄く均一に塗布することが大切です。
工程④ 中塗り・上塗りで色とツヤを出す
下塗りが乾燥したら、中塗り・上塗りの工程に進みます。
・指定色の塗料を調色して準備する
・スプレーガンでムラが出ないように塗り重ねていく
・角や裏側など、塗り残しが出やすい部分を丁寧に仕上げる
特殊車両は面積が広く凹凸も多いため、ガンの距離や角度、塗る順番に工夫が必要です。求人媒体で「塗装ブース完備」「調色業務あり」といったキーワードがあれば、より専門的な塗装スキルを学べる環境と言えるでしょう。
仕上げ・検査・納車準備までの流れと注意点
塗料を吹き付けたあとも、特殊車両の塗装工程はまだ終わりではありません。乾燥や磨き、最終チェックなど、仕上げのステップを経てはじめてお客様に渡せる状態になります。ここからは、塗装後の大切な工程について説明します。
工程⑤ 乾燥・磨き・コーティング
塗装後は、塗料の種類に応じて乾燥時間を確保します。乾燥ブースを使う工場では、温度や時間を管理しながら塗膜をしっかり固めていきます。その後、必要に応じて研ぎやポリッシャーでの磨きを行い、小さなゴミ噛みや肌を整えます。最後にコーティング剤を塗布することで、光沢を高めつつ汚れが付きにくい状態に仕上げることもあります。
工程⑥ 最終チェックと納車準備
仕上がった車両は、照明の下で全体をチェックします。
・色ムラや塗り残しがないか
・マスキング跡やテープの粘着が残っていないか
・付属品やパーツが正しく取り付けられているか
これらを確認し、必要に応じて手直しを行ったうえで、洗車や室内清掃などの納車準備を整えます。ここまでが一連の「塗装工程の流れ」であり、多くのスタッフが連携しながら一台を仕上げていきます。
求人媒体で「特殊車両 塗装工程の流れ」の仕事を探すポイント
最後に、実際に求人媒体で特殊車両の塗装に関わる仕事を探すときのポイントをお伝えします。塗装工程のどの部分を担当するのか、未経験から始められるのかなど、募集内容によって働き方は大きく変わります。自分に合った職場を見つけるために、チェックしておきたい点を整理しておきましょう。
未経験歓迎か経験者優遇かをしっかり確認
求人票には、「未経験歓迎」「塗装経験者優遇」「自動車塗装経験者のみ」など、応募条件が書かれています。
・初めて塗装に挑戦したい方は、教育体制や研修内容を重視する
・乗用車塗装からステップアップしたい方は、特殊車両の扱い有無を確認する
・ベテランの方は、調色や工程管理など任される範囲をチェックする
このような視点で見ると、自分のスキルや希望に合った求人を絞り込みやすくなります。
教育体制・設備・キャリアパスも要チェック
長く働きながら技術を高めたい場合、職場の設備やキャリアパスも重要なポイントです。
・塗装ブースや乾燥設備が整っているか
・特殊車両以外に、フレーム修正や防錆処理なども学べるか
・班長や工場長など、将来的なポジションアップの道があるか
求人媒体の情報だけでは分かりにくい部分は、面接や工場見学の際に質問してみると良いでしょう。「どんな工程を担当することが多いか」「入社後のステップアップ例」などを聞いておくと、入社後のギャップを減らすことができます。
特殊車両の塗装工程の流れを理解しておくと、求人票に書かれている仕事内容もぐっとイメージしやすくなります。興味のある方は、ぜひ求人媒体で情報を集めながら、自分に合った職場で専門性の高い塗装技術を身につけていってください。